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Studyミニアルバム「PROGRESSIVE」発売記念 クリエイターインタビュー 細井聡司 a2c(MintJam) 柏森進(MOSAIC.WAV)

Studyのミニ・アルバム『PROGRESSIVE』リリースを記念した、参加クリエイター陣による座談会もいよいよ最終回。
今回は皆さんが気になる、「人気クリエイター達から見たStudy」という話題をぶつけてみた。
個性的な楽曲が揃った『PROGRESSIVE』で見た、Studyの”個性”に迫るスペシャル・トーク・セッション第3回!

ここからはレコーディングでのStudyのパフォーマンスについてお伺いします。現場に立ち会われて、メンバーの歌唱を聴いた感想はいかがでしたか?

細井聡司

僕はスケジュールの都合で、(武元)うるか役の鈴代(紗弓)さんのレコーディングだけ参加しました。僕は普段は重鎮の方ばかりのレコーディングなので(笑)、フレッシュな若い人の歌う現場は珍しくて、また新鮮でしたね。鈴代さんはすごく上手い方で、仮歌のバージョンを事前に渡していたんですけど、それをしっかり聴き込んできてくれました。こちらからは特に何も指示も必要ない状態で、スムーズに歌われてましたね。

すでにOP曲やED曲などでStudyとして経験も積んでいたことが大きいのかもしれないですが、それでも歌唱面でのセンスは感じられたと。

細井

確かに勘が鋭い方だなと思いましたね。例えば「仮歌のバージョンからちょっと歌い方変えてみましょう」とか「メロ変えてみましょう」といった指示はあったんですけど、それもすぐ対応してくださいました。それ以外でもちょっとしたテンションのコントロールも、あと5パーセント、10パーセント高く低くという微妙なところも対応して歌ってくださいましたね。

そういう細かい指示を出しても対応していけるわけですね。

細井

そういう細かい指示って若手の方には難しかったりするので、何回やっても同じテイクに聞こえることがあるんですけど、鈴代さんの場合はちゃんと変えていますね。レコーディングを見ていて面白かったですね。

細井さんにとっても、想像よりいいテイクが録れたわけですね。

細井

もちろんある程度想定して曲は作っているんですけど、実際に歌っているのを聴いてみて「すごいな」って。パワーがあるなって思いました。

a2c
(MintJam)

レコーディングには、僕はMintJamのメンバーのTERRAのふたりで伺いました。TERRAがボーカリストなので、彼主導でディレクションをして、途中僕が横から口を挟んだりしながら進めることが多いですね。レコーディングは鈴代さん白石さん富田さんの順で、最初に鈴代さんを録ったんですけど、結果キャラのイメージがすごく出ているなという印象でした。録音したボーカルトラックを編集させていただいていると、彼女の声がソウルフルというかすごく振り幅がある、かっこいいニュアンスがいっぱいあって、伸び代があるなと思いました。

声の成分としても光るものがあったわけですか。

a2c

そうですね。あと白石さんはメロウな声質で、奥ゆかしい表現がはまるなと。「すべてが[x]の世界線」の、Dメロの前半を白石さんが歌っているんですけど、歌詞と白石さんの声質がすごくハマっているなって印象があったんですよ。あと富田さんは自分の歌唱スタイルを持っている方だなっていう印象があって、レコーディング時間も実質1時間ぐらいで終わりました。すごい表現力を持っている方だなと。

それぞれ高いクオリティーで個性的であるというのはすごいですね。

a2c

キャラクターが全部被ってないというか、それがサビで3人ユニゾンになったときにすごく膨らむんですよ。それによってサウンド的にもすごくきらびやかで明るい感じになるんですよね。

3人の声が入って、ご自身の曲に明るさが際立ったという。

a2c

そうです。「あ、なるほどこういう事か!」と3人のユニゾンに感動を覚えたのと同時に、自分のメロディ作りは間違っていなかったんだなという手応えもありました。

柏森進
(MOSAIC.WAV)

3人とも対応力がすごいんですよね。「引き出せ!ポテンシャル」では、Aメロで譜割を変えたり、レコーディング前に歌詞が変わったりしたんですけどちゃんと対応していただいて。お三方とも声に伸びがあるなと思って、この曲でも伸ばすフレーズが多かったんですけど、まっすぐ力強い声を出していただいているなと思いました。あと合いの手と台詞が多い曲ですけど、そのなかで富田さんの声の張りが理珠から遠くならないように、どの辺りのテンションがいいのか探ったりしましたね。

難易度の高い電波ソングのなかでちゃんとキャラクターとの齟齬が出ないように気をつけられたと。

柏森

はい。あとa2cさんのお話にもありましたけど、3人の声が混ざると弱いところがないというのは感じました。3人揃うと盤石でしたね。

お互いがお互いを補い合うというか、3人のユニゾンというのもまた注目ポイントですね。ちなみに、みなさんは自分以外の方が作った曲を聴かれたと思いますが、『PROGRESSIVE』全体を聴いた感想としてはいかがでしたか?

細井

「個性出てるなー」と思いましたね。曲を聴いただけで誰が作ったかわかっちゃうぐらいカラーがあって、でもアルバムとしてもちゃんとまとまっているなと思います。あとはバランスがいいですよね。まずはStudyの3人の声の個性があって、そのバックトラックとして個性がちゃんと乗っかっている。

3人の個性と曲の個性がしっかり両立していると。

細井

多分みなさん、歌に埋もれるようなおまけみたいなトラックは作りたくないという人たちなんですね(笑)。そこでちゃんと声の魅力がわかったうえで曲を作っているので、その隙間がちゃんとあって声が綺麗に乗っかっている。うしろの音が埋もれずに出ているのは聴いていて気持ちいいですね。

a2c

僕は「引き出せ!ポテンシャル」がすごく好きですね。

柏森

ありがとうございます……!

a2c

タイトル通りStudy3人のポテンシャルを引き出しているなと。僕はマスタリングも立ち会って全曲聴かせていただいたんですけど、サウンドもバランスいいし、Aメロの掛け合いとか本当に「どうやって作られていたんですか?」ってアニプレックスさんに聞いたぐらいで。なので先ほどそのお話が聞けてすごく勉強になりました(笑)。Aメロはすごく中毒性がありますよね。もちろんそれだけじゃなくて、全曲とても良い仕上がりだと思います。

柏森

僕は、最初は発表されている「ready STUDY go!」と自分の曲しか知らなかったので、こうして全曲聴いて「こういうCDが作りたかったんだ」って感じました。すごくStudyの3人のフレッシュな感じが出ていると思います。

本作がリリースしたあと、ワンマン・ライブなどStudyの活動が続いていきますが、もしみなさんが、今後のStudyの活動のなかで再び楽曲提供をするなら、どんな楽曲を作ってみたいですか?

細井

そうですね……今回はわかりやすくライブ映えするような曲を作りましたけど、曲数が増えてきたらもうちょっと変化球があってもいいのかな、とも思います。それをもし、僕にやらせていただけるんだったら……変なことやりたいですね(笑)。僕はバラード系が好きなので、しっとりした、だけど変わったものにもチャレンジしてみたいですね。

a2c

Studyということで、学校というテーマと親和性がすごく高いと思うんですけど、僕がハードでエモい感じが好きなので、学校に潜む闇のようなテーマでハードでエモくて少しダーク寄りな曲をやってみたいですね。あとは泣きメロ系で学園恋愛もののテンポの速いロックというのもいいんじゃないかなって思いますね。学校生活って誰しもが通ってきているものなので、共感できるテーマがいろいろある気がしますね。

柏森

多分ね、みんながみんな変化球を投げたいと思っているんですよ(笑)。『PROGRESSIVE』の続編ができたらまた大変なことになると思います。僕の場合は、さっきセリフを書くのが苦手と言ったんですけど、それに反してミュージカルっぽい展開の、各キャラクターのセリフが合間合間に入ってストーリーが進んでいくというのをやってみたいですね。

細井

それ聴きたい!(笑)。